最終更新 2023年 5月25日
極太刀の手紙をまとめています。
手紙は、極修行に出たキャラが出します。
読み終わった手紙は、「刀帳」→「極になる前のキャラ」の所でまた読む事ができます。
- ソハヤノツルキ・極●更新!
- 数珠丸恒次・極
- 大包平・極
- 三日月宗近・極
- 燭台切光忠・極
- 山伏国広・極
- 獅子王・極
- 髭切・極
- 膝丸・極
- 一期一振・極
- 鶴丸国永・極
- 鶯丸・極
- 江雪左文字・極
- 小狐丸・極
- 明石国行・極
- 小豆長光・極
- 千代金丸・極
- 小竜景光・極
- 大般若長光・極
目次
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ソハヤノツルキ・極
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ソハヤノツルキ |
手紙1 |
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主へ 俺は霊力を高めるべく険しい山へと分け入った。その奥には伝説の滝が〜 あ〜やめた、やめた。嘘は信念に反する。 俺が強くなるには霊力ごと高める必要があると思うんだ。 ただ、俺はこの霊力ってやつが本当の意味では一体何なのか…… 正直いまいちわかっていないんだわ。 乱世を生き抜いた家康公は、最期にこの国の鎮護を俺に託した。が…… 田村将軍の「ソハヤノツルキ」の写しならば鬼と戦う力があるに違いないとか、 「坂上宝剣」の写しであればこの世を守ることができるに違いないとか、 この銘を持つ俺にはその力がコピーできていると思っていたのかねえ。家康公は。 ……やっぱ、滝に打たれてくるわ。 |
手紙2 |
主へ 冷たい水でシメられてこそよく斬れる刀になる……にしても、今は人の身だ。 いやぁ、冷たい冷たい。寒いところは嫌だって狸の爺さんも言ってる。 この狸は江戸に立ち寄ったときに大手門の前でウロウロしていた奴。 なんとなく愛嬌がある顔だったし、道連れにしてやってんだ。 一族の今後が心配だの、息子と嫁の不仲が気になるだの、ブツブツ言ってたからさ。 田村将軍の剣の写しが守ってんだ。少なくとも250年余は安泰だって言ってやったら、 狐に化かされたみたいな顔しやがった。 そんなわけで、これを連れて駿河に行ってくる。 |
手紙3 |
主へ 人の一生は重荷を負て、遠き道をゆくが如し。 長い階段を昇っていると狸が頭の上からしたり顔で語るんだ。 始まりも終わりも。やりたかったことも、やり残したことも。 すごいぞ、徳川家康! よ、東照大権現! 褒めてやってもいいが、こっちは歩くたびにてめえのふぐりがベチベチして最悪だ。 一番上まで昇ったら、狸がぽてりと降りて言いやがった。 なぜお前なのかといえば、最期に持っていたからで、たまたまだって。 堪忍堪忍、急がず行けよ。一緒に歩いてくれてありがとうって。 「ソハヤノツルキウツスナリ」。本当の俺は斬れるだけの平凡な刀なのかもしれない。 それでも狸爺は最期に俺に言ったんだ。この国の鎮護となれと。 その言葉が、願いが霊力となって、俺を霊刀に押し上げた。 ということは、今の俺の霊力を高めるのは、今の主の願い以外にはないということだ。 思い出に浸るのは終わりだな。主、俺に願ってくれ。これまでも、これからも。 |
数珠丸恒次・極
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数珠丸恒次 |
手紙1 |
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主へ 戦いはこれからも続き、激化していくことでしょう。 南無妙法蓮華経。 一切の衆生は久遠の先に仏となりうる。 しかし、今、このとき、相争い殺し合う末法に、私は……、一体何ができるのでしょう。 |
手紙2 |
主へ 修行とは己との対話。秘するものと考えます。 しかし、消息は伝えよとのことですので、こうして手紙をしたためております。 懐かしい御仁と一緒になりました。 この時代、死はあらゆるところにあふれていますが、同行があることは支えとなります。 何らかの答えを見つけ出せるよう、精進いたします。 |
手紙3 |
主へ 悟りは未だ遠く、迷いに答えはありません。 しかし、御仁は仰られた。夢想しているだけでは何も変わらないと。 ……私は、その本性はどこまで行っても戦いのための道具。 であるならば、為せることは迷うほど多くはありません。 南無妙法蓮華経。 破戒者すらも久遠の先へと導く仏徒とならん。 修行はもう終わりです。 帰るべき処へ帰りましょう。 |
大包平・極
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大包平 |
手紙1 |
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主 俺という名刀に、天下五剣に劣るところなど何もないのだ。 修行するまでもなく優れているのに……俺の足は、心は、外へと向いていた。 ええい、鶯丸にこの手紙は見せてくれるなよ。 散々からかわれるのが目に見えている。 |
手紙2 |
主 やはり、俺に足りないのは功績か、逸話か。 かくなる上は、歴史を遡り、鬼や化け物をばっさばっさと退治すれば……! いや、それは敵の発想だな。 では……、うん? ここは、岡山、か……? |
手紙3 |
主 元の主、池田光政と言葉を交わすことが出来た。 大包平は当家随一の至宝。向かうところ敵なしの名刀ぞ。 祖父、池田輝政が自慢げにそう言っていた……と。 その瞳に、輝きを見たと。 物が人の心を輝かせ、人の心が物を輝かせる。 そうか、俺に足りなかったものは功績や逸話などではなく……。 ふっはははは、実に面白い。 俺は逸話無しでなお、刀剣の横綱であり続けたのだ。 そして、今はかつて得られなかった功績をいくらでも得られる場にいる。 そう、お前のもとにいれば童子切を追い抜くのも時間の問題なのだな。 名刀はここに光り輝く。俺は、主を照らす剣だ。 |
三日月宗近・極
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三日月宗近 |
手紙1 |
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主へ ――物が語る故、物語。 物としてあった千年の物語。 千年の月日も、この一夜から始まる。 旅というのはいいものだな。しばし戦いを忘れ、心が穏やかになる。 もっとも、これは修行の旅だ。敵を打ち倒すための力を得ることが目的。 それを忘れるほどもうろくはしてはおらぬぞ。安心しろ。 さて、続きはまた明日にするか。 |
手紙2 |
主へ 我々の修行とは、歴史を遡り、伝承を巡り、人々の思いを辿ること。 それが、己を形作るもの。故に、元の主のもとへ行くことが多いわけだが。 俺の場合、どこの家にあったという記録はあっても、誰が使っていたという記録は曖昧だ。 こらこら、俺がじじいだから忘れていると……、まあよい。 歴史を人の思いの大河とするならば、物はさながら河を行く小舟。 人の手より生み出され、その思いを乗せ、手から手へと渡り、その思いを乗せ、 使われ、壊れが常ではあるが、ともすれば人より永く残ることもある。 美しい――とは、誰の思いであったか。 さて、続きはまた明日にするか。 |
手紙3 |
主へ 千年の月日、再び旅するのは骨が折れたぞ。 だが、やるだけの価値はあった。 経年劣化が修復され、それでいて千年分の経験も得た。 と言うと味もそっけもないか。 だがこれで主にとっての使い勝手は良くなっているはずだ。 物としてあった千年の物語。 そして、月として幾星霜。 続きはまたにしよう。 |
燭台切光忠・極
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燭台切光忠 |
手紙1 |
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君へ やあ、僕がいない間もみんな元気に過ごしてるかな。 修行の地からこの手紙を書いているよ。 どこで修行するかはいくつか候補があって、迷ったんだけどね。 仙台藩、伊達政宗公のところにしたよ。 あの方がいなければ僕はおそらくこの号を得ることはなかったわけだしね。 |
手紙2 |
君へ いやはや、やっぱり政宗公は強烈な方だよね。 やること為すこと良くも悪くも話題になるし、それでいて文化人としても一流。 そしてあの素晴らしいファッションセンスとなれば、周囲の印象に残らないわけがない。 戦国の世が終わり、将軍家以外の力が弱まっていくというこの時期に、 これを貫けたのは偉大だよ。 僕の歴代の主にはそれぞれに思い入れがあるけれど、 やっぱりこの在り方には憧れてしまうね。 |
手紙3 |
君へ うん、そうだね。 格好良さ、というのはその在り方がどれだけ人の心に残るかなんだよね。 それはきっと単純な美醜とは違う概念なんだ。 そして、僕はそう在りたいと思う。 物理的な器が朽ちたり、人々の前からいなくなっても、存在感を保ち続ける。 そうやって人の心に残ったものの先にいるのが、僕たち刀剣男士だ。 もう少しだけ、ここで格好良さを学んだら帰るよ。 イメージチェンジした僕をお楽しみに。 |
山伏国広・極
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山伏国広 |
手紙1 |
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主殿 カカカカカ! 大手を振って長きにわたる山籠もりに出られるというのはありがたい話であるな! 此度の機会に拙僧、大きく成長せねばなるまい! 人里離れ山野を巡り、己の肉体を鍛えあげる。 それは己との対話である。 故に筋肉こそ悟りの証というわけであるな! |
手紙2 |
主殿 カカカカカ! 山に籠もり己を鍛えていたところ、 拙僧、他の山伏と遭遇してしまったのである。 いやいや、お互い素性を詳しく話したりはせんので歴史への影響は怒らん。 しかしこの山伏、変わった男でな。 この打刀全般の時代に、わざわざ太刀を打とうと言うのだ。 しかも、剛性を低くする彫り物まで入れようと言うのだ。全く気が知れぬ。 ……などととぼけても仕方あるまいなあ。 山伏が打とうとしている太刀。 それこそが、主家再興の祈りを込めて打たれた山伏国広。 即ち拙僧であるのだから。 |
手紙3 |
主殿 拙僧はな、実際に振るうための刀ではない。 失われたものへの弔いの刃。 祈りのための刃。 すなわち人の想いを玉鋼に込め、鍛え上げた太刀である。 主家再興の祈りはもはやはるか昔のこと。 拙僧にはもはや弔うことしかできん。 それはきっと、終わることのなき修行と何ら変わらぬ。 だが、 今歴史を捻じ曲げようとする敵が現れ、それに抗おうという衆生の想いがある。 ならば拙僧は、その祈りに応えるべくこの力を振るうしかあるまい! カカカカカ! |
獅子王・極
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獅子王 |
手紙1 |
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主へ へへ、修行っていいよな。 なんか強くなるための王道展開! みたいな感じだろ。 で、ここは……なんだ、京じゃん! なつかしいなー。 ……あれ? ってことは、 ここにいるっていう俺が師匠にするべき相手って……じっちゃん!? |
手紙2 |
主へ 俺は今、じっちゃんのところで色々勉強中。 じっちゃんすげえよなあ。あの歳で戦えるんだぜ。鵺だってビビってる。 強さってのは、力が強いとか、素早いとか……、そういうのだけじゃないんだ。 俺、初めて分かった気がする。 |
手紙3 |
主へ じっちゃんが、亡くなったよ。 戦で負けた結果だけれど……でも、 最期まで現役だったじっちゃんを、俺は誇りに思う。 それに、この平氏との戦がきっかけで、 後の鎌倉幕府成立やそれからの歴史が続いていくんだ。 だから、俺は歴史を……、ここから連なる全てを守ってみせる。 主も、それを応援してくれるよな。 |
髭切・極
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髭切 |
手紙1 |
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主へ 突然八幡大菩薩からのお告げがあっただなんて、君も面食らっただろう。 まあ、僕の主やってたらよくあることだから君も慣れたほうがいい。 で、本題なんだけど、歴史を辿る旅は逸話と名前を辿る旅にもなりそうだよ。 僕も弟もねえ、人間がいろんな名前をあとから付け加えるから どう呼べばいいかわかんなくなっちゃうんだ。 ただね、長く残る逸話と名前は僕らをより強くするようだよ。 |
手紙2 |
主へ さあ、やってきました鎌倉。 では、頼朝のところに邪魔になろうかな。 いや、実際に八幡大菩薩のお告げを受けた義朝のところへ行くべきなのかもしれないけど、 源氏の惣領として地位を確立したのは頼朝だろう。 まあ、頼朝はいくさ下手だけどね。 人を指揮するんじゃなく自分が戦う分には強かったから、僕の修行にもなるんじゃない? |
手紙3 |
主へ さてさて、頼朝が幕府成立させたし僕が見届けるのはここまででいいかな。 ここから先は、源氏の重宝として他家と華々しく戦ったりとかはないからね。 大事に仕舞い込まれて、出てきたと思ったら源氏同士で相争う際の道具にしかならない。 そんなの、どちらに加護を与えろと言うんだ。困ってしまうよね。 物語と名前を結び、加護の力も戻ってきている。 行き場を失ったこの力、君のために使ってみるとしよう。 |
膝丸・極
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膝丸 |
手紙1 |
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主へ まずは修行の許可を出してくれた事に感謝を。 俺は兄者のように八幡大菩薩のお告げを受けて行動することはできぬ。 だから、この旅を決めたのは俺自身の判断だ。 やはり源氏の重宝としての力を最大限発揮するには源氏との接触が必要だ。 強くなって帰る。楽しみにしておけ。 |
手紙2 |
主へ 俺は京へとやってきた。 目的は九郎……、義経の一行と合流するためだ。 まだこの段階で義経の下に俺は存在していない。 だが、俺の最後の名付けを行なったのは義経だ。 奴に同道するのはごく自然な流れといえよう。 せっかくだ。 刀だった頃には見ることができなかった義経のいくさ、 この目で見てこよう。 |
手紙3 |
主へ 義経は、儚く散ったよ。 奴はいくさの才能こそあったが……、 人の心を慮ることがひどく苦手だったようだ。 その結果が兄の不興を買い、討たれる末路とは 悲しいものだ。 俺と兄者は源氏に勝利をもたらす重宝。 だが、源氏同士で相争う場合、何もしてやる ことはできない。 主よ、修行の旅は終わりだ。 この行き場のない加護は、君のために使うとしよう。 |
一期一振・極
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一期一振 |
手紙1 |
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主へ 弟たちは元気にやっていますか? そうであればよいのですが。 戦いは激化していく一方。 兄として私が出来ることといえば、今より強くなることくらいしかありません。 修行の足がかりとして、私にあるのは欠けた想いの残骸だけ。 ものが失われたという記録を見た結果、そこに何があったかはわかるが、 どういうものだったかが実感できない、という感覚が近いでしょう。 この欠けた想いが埋まれば、私の力は完全なものになるのですかな……。 |
手紙2 |
主へ ここは大坂。 見上げれば、在りし日の城が見えます。 ですが、この期に及んで、私は何一つ現実感を得ていないのです。 記憶にはあるのです。 ただ、それは他人の書いた記録を読んでいるようなもので、とても自分のこととは思えない。 ……それを言い出したら、刀であった私がこうして人の姿を得て、 思い出の時代を訪れているなんて、それこそ夢幻のような話ですが。 |
手紙3 |
主へ 豊臣秀吉という人物は、名刀をこよなく愛し、収集した人でした。 それはきっと、刀という象徴を通して、 この日の本の武士を従えているという実感を得られたからなのでしょう。 その人物が、自分の佩刀として選んだ。 そのことが、かつての私の誇りだったのでしょうな。 だからこそ、かつての私は豊臣の時代が終わった後に大阪城とともに焼け落ち、 再刃された私はそれを共有できない。 過去の記憶は未だ他人事のよう。 それでも共感を得られたのは、今また、名刀を集める主のもとにあるから。 おそらくは、今の主のもとにあれば、いずれ欠落を気にすることもなくなるでしょう。 ……そろそろ帰りますか。弟たちがたるんできている頃でしょう? |
鶴丸国永・極
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鶴丸国永 |
手紙1 |
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主へ 永き闇をぬけると鎌倉であった。 よっ、元気にしてるか? 鶴丸国永だ。 そうそう、俺は執権北条貞時殿のところってわけだ。 俺を前の主の墓から暴いたって伝説が残ってる御仁ではあるが、 それでも有名な俺の主の一人であることにゃ代わりはない。 せっかくだから己の有り様でも見つめなおしてくるぜ。 |
手紙2 |
主へ 俺の有り様。有り様、ね。 改めて考えるとわからんもんだ。 知っての通り俺は驚きにこだわる。 それは平穏な日々が続くことの否定なんだろうか。 貞時殿は元寇後の国内情勢平定に取り組んだ、あるいは取り組まされた御仁だが、 もしや、俺の有り様はその反動なのか? |
手紙3 |
主へ 貞時殿が死んだよ。 まあ、晩年はひどいもんだったな。 いくら手を尽くしても別の問題がわいてくる。 跡継ぎにはまだ先のことを託しきれない。 で、荒れないほうが無理って話か。 結局のところ、俺は幾人もの主が望んで、 それでも得られなかったものに反発してるだけなのかねえ。 ま、だからと言って今更有り様を変えるなんざできやしない。 できるとすれば、今代の主に平穏な日々を与えて、それを適度に混ぜっ返すことくらいか。 そうと決まれば善は急げだ。 きみの行く先を、白く照らすさ。 |
鶯丸・極
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鶯丸 |
手紙1 |
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主へ 修行の旅の空の下、これを書いている。 鶯だけに空の下、なんてな。 |
手紙2 |
主へ 俺は室町の世で、時の将軍から小笠原政康様に渡されてからこの方、 宝刀として大切に扱われ、飾られていたというわけだ。 そういう宝物扱いであったにもかかわらず、 お上へ献上されるときには大修復が必要だった有様。 実戦での誉れ高い評価など得ずとも、その美しさで名刀とされた大包平とは大違いなのさ。 |
手紙3 |
主へ ああ、そうか。 俺は古いだけで、それ以外に評価らしい評価を得られなかった刀、だと。 だからこそ同じ古備前派で打たれ、名刀の両横綱とまで言われた大包平が いつまでたっても童子切の影から逃れられないのが、もどかしくてたまらなかったのか。 他人がなんて言うかなんか、どうでもいい。 そう言われたかったのは、俺だったのか。 ここに在る。古くから、ずっと。 じゃあ、もう、旅は切り上げていいかな。 主と共に見上げた空は、あんなにも広く穏やかだったのだから。 |
江雪左文字・極
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江雪左文字 |
手紙1 |
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主へ 私は自分を見つめなおす旅の途上です。 刀という戦いの道具でありながら戦いを憎むこの矛盾。 この迷いに何らかの決着を付けなければ、おそらく先に待つのは破滅でしょう。 答えが見つかることを、祈っていてください。 |
手紙2 |
主へ 旅の行き着く先は、相模。 元の主である板部岡江雪斎に師事し、己の煩悩を晴らすつもりです。 戦とは。和睦とは。 学ぶことはいくらでもあります。 道は険しいでしょうが、修行とはそういうものでしょう。 |
手紙3 |
主へ どれだけ学んでも、どれだけ修行しても、戦いを悲しく思う心は変わりません。 ですが、それで良いのだということを学びました。 必要なのは、その心を抱えたまま、当事者として身を置くこと。 遠くから他人事のように悲しむのではなく、 悲しみを減らすべく、己の身を切る最前線に赴くこと。 主よ、私は貴方の置かれた状況を悲しく思います。 ですが、だからこそ、貴方の刀として、共に地獄を歩むとしましょう。 |
小狐丸・極
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小狐丸 |
手紙1 |
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ぬしさまへ 強くなりたいと欲せば、私が向かうべきはひとつしかありませぬ。 言うまでもなくそれは一条帝の御世、三条宗近殿のところ。 彼の稲荷明神の加護を賜ることができれば、 この小狐丸はより強くなることが出来ましょう。 そう、今以上の毛艶を持ち、さらにもっふもふに。 どうでしょうぬしさま、今から楽しみではありませぬか。 |
手紙2 |
ぬしさまへ やはり三条宗近殿は、御剣を打てとの勅命を引き受けるかどうか迷っている様子。 であれば、この稲荷神社で待っていれば三条宗近殿に助言を授けるであろう 稲荷明神の化身に出会う事もできましょうなあ。 ……と、思うておりましたところ、神社の方からは誰も現れない。 三条宗近殿は思い詰めるばかり。 これはいけませぬ。 矢も盾もたまらず、私は飛び出してしまったのです。 |
手紙3 |
ぬしさまへ 心配をお掛けする書き方をしましたか。 事はうまく運びましたのでご安心くだされ。 飛び出してしまった私ですが…… 三条宗近殿を舞をもって宥め、その悩みに耳を傾けたのです。 暫くすると、何処からか声がいたします。 よくやった。あとは我々が引き受けよう、と。 そして、狐面を被った者たちが現れたのでした。 あれこそが本来の稲荷明神の化身であったのか、 もしくは名を明かせぬ野鍛冶の連中であったのか。 ……あるいは…… 謎はあれど、何故か私の心は晴れやかです。 毛艶は心を鏡のように映すもの。今や私は過去にないまでにもふもふに。 いち早くぬしさまに披露したく思います。なにとぞお待ちくだされ。 |
明石国行・極
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明石国行 |
手紙1 |
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主はんへ 自分、今どこにいると思います? そうそう、明石明石。なにせ自分の名前の由来ですからなあ。 |
手紙2 |
主はんへ 今日の、紫陽花は何色ですか。 |
手紙3 |
主はんへ いやあ、もう修行なんてこりごりですわ。 早く本丸で蛍丸の顔でも見ないとやってられまへん。 修行しても自分は自分。これからもゆるゆるとよろしゅう。 |
小豆長光・極
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小豆長光 |
手紙1 |
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主へ やあやあ。こどもたちはげんきにしているかな。 主にとっては、このかなひょうきはよみづらいかもしれないね。 でも、ついついこういうかきかたをしてしまうんだ。ゆるしてほしいな。 わたしはというと、越後にやってきた。 うん、もとのもちぬしの上杉謙信公をたよりにするわけだ。 ちょうどいま、めのまえで、あずきがまっぷたつになったよ。 こぼれたあずきをひろいながら、そのままついていってみることにするよ。 |
手紙2 |
主へ やあやあ。こどもたちはべんきょうをさぼっていないかな。 じぶんのことながら、わたしというかたなは、いったいなにものだったのだろうね。 らいれきからしてものがたりめいていて、げんじつかんがない。 もっとも、謙信公の刀はそういうのにことかかないからね。 わたしがとくべつというより、 あのかたがふしぎをひきよせやすいひとだったのかもしれないね。 |
手紙3 |
主へ やあやあ。こどもたちはさびしがっていないかな。 わたしはあいかわらず、じぶんというかたなについてかんがえていた。 いつわとしては、 川中島のたたかいで武田信玄にきりつけたときにつかわれたとされているね。 そして、あるとき、ひとしれずきえてしまっている。 ひょっとしたら、しんじんぶかかった謙信公に、 毘沙門天があたえたかごがわたしだったのかも。 ……なんて、こどもたちがすきそうなものがたりめいてしまったかな。 でも、もしそうだったら、わたしはいまの主と、 こどもたちをまもるかごになることだってできるはずだ。 そうかんがえると、やるきがでてきたよ。 もうすぐかえるから、まっていてほしい。 |
千代金丸・極
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千代金丸 |
手紙1 |
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主へ 元気にしているだろうか。 風。空にはウミドゥヤーが飛んでいる。日差しの中、花々が咲う。 今、この場にはかつてあったいくつもの悲しみの影は見当たらない。 ……いや、休暇をもらって遊んでいるわけではないんだ。 だが、これからの戦いで、俺ができることはなんなのだろう。 そう、考えている。 |
手紙2 |
主へ 今日は浜辺を歩いた。波の音は心が洗われる。 まだ考えはまとまらない。 俺は、華々しく戦で活躍した刀ではない。 むしろ逆だ。敗者の剣として献上された。主と運命を共にもできずにな。 これから必要とされるのは、どんな敵をも打ち倒せる力なのだろう。 ならば、俺はその力を、得ることはできるのだろうか。 |
手紙3 |
主へ なんくるないさ、の意味を知っているだろうか。 この言葉は、ただ楽観的な意味を示すものではない。 まくとぅそーけーなんくるないさ。正しい行いを続ければ道は開ける、だ。 そして、それを為すには、まず生き残らなければならない。 ただの刀であった頃、俺は当時の主の自害を止めようとして、失敗した。 その後の琉球は、主が知っての通りだ だが、こうして呼ばれ、今、ここに立っている。 俺がすべきことは、今の主が正しい行いを続けられるよう、守ることなのだろうな。 勝利の逸話がなくとも、守護の霊力がなくとも、主のため、正しいことをしよう。 そう、思ったんだ。 つまり、なんくるないさ、だな。 |
小竜景光・極
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小竜景光 |
手紙1 |
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主へ 旅はいいねえ。 自由気ままにさすらっていると、いろんなことを思い出す。 刀剣は、人から人へ、家から家へ、渡りくもの。 それは主を転々とする旅のようでもある。 さて、懐かしいところに出てきてしまったな。 俺の物語の始まり、ということなのかもしれないが。 |
手紙2 |
主へ 河内。かつての主のひとり、楠木正成――楠公のいた場所だ。 楠公は忠臣と言われているな。 だが、どれだけ忠誠を捧げても、 最期は不如意のままに果てる。 結末のわかりきった道を辿る旅。 |
手紙3 |
誰か、報いてやることはできなかったのだろうか。 ……いいや、そう思った人間が数多くいたからこそ、彼の名は今でも残っているのか。 名のあるもの、名もなきもの、 その指に触れ、眼差しに触れ、心に触れ、語り継がれる。 それらすべてが片鱗となる。竜は力を得て立ち昇る。 新たな主を得ての旅、か。 俺は、十分以上に報われているわけだな。 名をぞとどむる梓弓……、そろそろ旅も終わりかな。 |
大般若長光・極
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大般若長光 |
手紙1 |
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さて、修行の旅だがどこに行こうかな。 あてはいくつかあるが……よし、決めた。江戸へいこう。 うん、あんたは妙な顔をするかもしれないな。 それはそれで拝みに戻りたい気もするが。 まあ、こちらはこちらで物見遊山がてら参るとしよう。 |
手紙2 |
よし、うまいこと江戸城に潜り込めた。 ほら、俺の見た目は立派なお侍さまそのものじゃないか。 堂々としてれば案外気づかれないものなんだなぁ。 はは。またあんたの顔が思い浮かんだ。 ともあれこれで天下人となられた元主人、徳川家康公のお顔を拝めるってわけさ。 いやあ年甲斐もなくわくわくしてきてしまったな。 |
手紙3 |
主人へ 随分と立派になったもんだな。 俺が家康公の刀だったのは六年程度。 それもまだまだ天下人には程遠い頃だった。 無理難題を吹っ掛けられ、それに応えようと必死に戦う若者。 俺は見ていることしかできなかったが、懸命な姿を好ましいと思ったのかね。 共に戦場にあった織田信長公から賛辞とともに渡った宝物は、 家康公を試すものでもあり、鼓舞するものでもあったのかな。 さて、これで心残りが一つなくなったってもんさ。 次はどうしたもんか……。 はは。冗談。 そんな顔しなさんな。 では、今代の主人の大成を見届けるとしよう。 美しいものは傍で拝んでこそ。ぼちぼち帰るよ。 |